鎌倉殿の13人 38回感想 義時(小栗旬)のやりきれない息子としての苦悩に涙

前半の義時の怖いこと怖いこと、史実から時政(坂東彌十郎)とりく(宮沢りえ)が、伊豆への追放で済んだのは分かっていても、時政夫妻が処刑されるんじゃないかとドキドキしたわ
謀反を起した以上、もう親とも思わないみたいな態度だったし

でも時政の処分を決める話し合いの場で、時政の伊豆行きが決まった際に、
義時が「息子として礼を申し上げる」って言ったあたりで、
まだ義時は時政に対して息子としての気持ちは残ってると見ていいの?
それとも息子であるのは違いないから一応礼を言っただけ?って半信半疑の気持ちで見てたのよ

でも義時が義政に対面した時に、最初は冷徹な表情と言動だったのに、途中から堰を切ったように
「小四郎は無念にございます、父上にはずっと側にいて欲しかった!」
「父が世を去る時私は側にいられません、父の手を握ってやることが出来ません!」
「あなたがその機会を奪った!お恨み申し上げます」

って心情を吐露しだして、もう義時と一緒に号泣よ!

義時は誰よりも父を尊敬し愛していたからこそ、その父を自分から奪ってしまう父の短慮な行動に、遣り切れない悔しさを抱えていたのね

もうこのあたりの小栗さんの演技最高よ
その後、鶯の鳴き声の話を泣き笑いしながらする時政に、今生の別れと頭を下げる義時の姿は涙で霞んでもう見えなかったわ

先週の「オンベレブンビバ」を思い出そうとしての北条一家のボケ合戦の時は、「時房(瀬戸康史)や政子(小池栄子)のテンポについていけてないぞ義時!」って思ってごめん
まあ義時は泰時(坂口健太郎)への励ましの冗談も滑るってキャラだし、っていうかそもそもお笑いの才能は必要ないよね

でもそんな切ない父子の別れをしたのに、その後すぐ義母りく(宮沢りえ)に対して、暗殺請負人のトウ(山本千尋)を差し向ける義時よっ!
りくは助けてやってよ、義時と思ったわ
義時も、鎌倉の秩序を守るために、身内だけ特別扱いする姿を他の御家人達に見せるわけにはわけにはいかないってのもあるだろうけどさ
りくをトウから助けた三浦義村(山本耕史)は、グッジョブだったわ

許せないのは分かるけど、父親の義政は、義時に対面した時、いの一番に聞いてたじゃない
「りくはどうなる?」「あれがいれば、わしゃそれだけでいい」って、
義政は、せっかく助命されて伊豆に行けても、りくがいなければ生きる張り合いが無くなってしまうよ

史実はまあ置いといて、りくと政子と実衣(宮澤エマ)の3人の、仲が悪いようで仲の良い、喧々した言い合い大好きだったのよ
今回もすごくいい3人のシーンがあったよね

りくが、政子と実衣が別れの挨拶に来た時、りくは「私がどんなにみじめでいるか~」なんて言いながら絢爛豪華な衣装を着て待ち受けて、
「思い切りおめかしさせて頂きました、さあどうぞ目に焼き付けて」
って言う所もらしくて最高だったわ
宮沢りえさんの美しくて高慢だけど憎めない牧の方のお姿、私も目に焼き付けたわ

ああでも、もうこれまでのような北条家揃っての家族団欒は見れないのね
皆で座敷に集まって時政を中心に、ボケたり突っ込んだりのあのやり取り楽しかったのになあ

頼朝、政子のコンビのこの映画も最後はホロリとさせてよかったのよ